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いい人過ぎる「悪役令嬢転生おじさん」冒頭レビュー/感想

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あらすじ

妻あり娘あり52歳の勤勉でオタクな公務員であるおじさん(屯田林 憲三郎)が、乙女ゲームの世界に転生してしまい悪役令嬢グレイス・オーヴェルヌとして生活していく。

状況に戸惑いながらも悪役令嬢という与えられた役割をこれまでの人生経験を基に真面目に演じていこうとするグレイス(憲三郎)を主役とした物語。

悪役令嬢とは?

悪役令嬢というのは、言動がキツイ、性格が悪いなどの理由で周囲から恐れられている悪役。
しかし、本作の悪役令嬢は厳しくも思いやりのある憲三郎がいい人過ぎて悪役令嬢とは全く言えず、非常に良識のある貴族の鏡のような人物になっていく。

乙女ゲームの世界に転生

舞台は、おじさん(憲三郎)の娘がリビングでプレイしていた「マジカル学園ラブ&ビースト」という乙女ゲームの世界。

ゲームの主人公である平民の少女アンナ・ドールは、魔法の素質があるため例外的に貴族や王族のみが通うことを許される王立魔法学園に入学することになる。

グレイス(憲三郎)は、主人公のアンナと同時期に入学する大貴族の令嬢:グレイス・オーヴェルヌ
憲三郎が転生する前は、屋敷の人間にもかなり厳しく接していた非常にキツイ性格の人物

本来であれば主人公のアンナに対しても厳しく当たり、平民であることを理由に馬鹿にしたり、嫌がらせをしてくるような悪役のはずだった。

父性と良識を兼ね備えた悪役令嬢

入学初日の朝、おじさんは悪役令嬢らしく高圧的な態度で主人公アンナに話しかけようとする。

この学園は本来、貴族の生まれでないと入れないことはご存じなのかしら?(圧)
わかっていてここにいるということは・・・
さぞかし良識のある親御さんに大切に育てられたのでしょうね(にっこり)

本来であれば「身の程をわきまえなさい!平民風情が」とバカにするところだが、悪役として接するのを忘れて娘を見守る父親の気分で本音を言ってしまうグレイス(憲三郎)。
娘を育ててきた父親としての顔が出てしまったようだ。

その後も高圧的に接しようするが上手くいかない。
日頃から真面目に生きてきた憲三郎にとって無意味に人に厳しく当たるのは難しいようだ。
悪役令嬢に向いてないよ。

結局、悪役令嬢っぽく振る舞うことはできていない。
アンナにとって非常に頼りになる先輩のような存在になってしまい、周囲からも尊敬できる人物として評価を固めていくことになる。
グレイス(憲三郎)が周りから評価されていく様子は見ていて気持ちがいい!

アンナは適切なアドバイスをくれるグレイス(憲三郎)を尊敬し、どんどん心酔していく。

エンディングを迎えられるか?

乙女ゲームでは、主人公と攻略可能キャラクターが結ばれることでゲームクリアとなりエンディングを迎えることが多い。
グレイス(憲三郎)もそう考え、アンナが攻略対象の誰かと結ばれるようサポートしていくことでゲームクリアすることを目標に行動していく。

攻略対象たちのアンナへの好感度を上げようと頑張るが、その頑張りが裏目に出てしまい、アンナの好感度も上がるが、それ以上にグレイス(憲三郎)への好感度が高まっていく。

このままでは、グレイス(憲三郎)がメインヒロインになってしまう日も遠くないのでは?
と思わせる展開が続く。
現状アンナからの好感度が一番高いのはグレイス。

EDはディスコっぽいマツケンサンバⅡ

日常アニメっぽいのであまり作画は気にしていませんでしたが、見返してみると戦闘や魔法以外のシーンでも全体的に作画のクオリティが高い。
非常に丁寧に描かれている。

OPはサイダーガールの「Choose!!!
レトロゲームを彷彿とさせる始まり方でポップでコミカルな雰囲気の曲。
映像もグレイス(憲三郎)たちのドタバタコメディ具合をぎゅっと凝縮した映像になっている。

EDはなんと松平健の「マツケンサンバⅡ
金色のキラキラした衣装に包まれた憲三郎(CV:井上和彦)とグレイス(CV:M・A・O)が表裏一体となって歌う。

総評:いい意味でタイトル詐欺

憲三郎がいい人過ぎて全く悪役令嬢ではないので、いい意味でタイトル詐欺。
自然と強くて美しくて正しい貴族の鏡のような人物として振る舞ってしまい、
そんなグレイスへの周囲からの評価が高まっていく。

グレイス(憲三郎)がどんどん評価されていくのは見ていて気分がいいし、話も面白い。
最終的に元の世界に帰れるのか?という大きな目標もあるので続きも気になる。

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