ファンタジー

冒険者系配信者「Aランクパーティを離脱した俺は、元教え子たちと迷宮深部を目指す。」冒頭レビュー/感想

3.0
ファンタジー
引用元:©右薙光介・すーぱーぞんび・講談社/クローバープロジェクト

あらすじ

「やってられるか!!」
赤魔道士のユークはそう啖呵を切って、5年間在籍したAランクのパーティ「サンダーパイク」を離脱した。彼は、他のメンバーから過小評価、否、バカにされていたことに耐えきれず、ついにその地位を捨てたのだ。

ユークはかつての教え子・マリナに誘われ、駆け出しのDランクパーティ「クローバー」に参加する。マリナたちの能力を見事に引き出すことで次々クエストを達成。
そして、冒険配信を通じて「クローバー」は世間に名を馳せていく。

引用:©右薙光介・すーぱーぞんび・講談社/クローバープロジェクト

スタッフ&キャスト

原作:右薙光介(講談社「Kラノベブックス」刊)
監督:小野勝巳
アニメーション制作:BN Pictures

主人公 ユーク(CV:峯田大夢
教え子 マリナ(CV:伊南羽桜
    シルク(CV:川井田 夏海
レイン(CV:稗田寧々

PV

元パーティーが無能過ぎる件

主人公ユークは、Aランクパーティー「サンダーパイク」に所属していた赤魔導士。
赤魔導士というのは、味方の能力を強化したり、敵を弱体化させるのが得意なサポート役だ。

サポートしか能がないと仲間から馬鹿にされながらも5年間パーティーのために雑用もこなしてきたが我慢の限界だったようでパーティーを抜けるところから話が始まる。

昨今のパーティー離脱から始まる系の作品では、主人公の元パーティーメンバーたちは悲惨な末路をたどることが多く、それが見所の一つにもなっていると思う。
この作品も例にもれず、主人公の元パーティーである「サンダーパイク」のその後は悲惨なものだ。

ダンジョン攻略に行くとなれば、回復薬など必要なアイテムの準備を事前にしておく必要があるだろう。
ダンジョンに行ったことがない我々視聴者でもなんとなく理解できる。

しかし、サンダーパイクの面々は、今まで主人公にアイテム管理を全て任せていたせいで、回復薬などのアイテムを自分で用意するという考えがそもそもない。
回復薬一つすら持たずにダンジョン攻略へ挑んでしまう。
仲間の一人がモンスターの攻撃で重傷を負ってしまうが誰も回復薬を携帯しておらず、ユークの代わりに雇った冒険者から回復薬を奪い取る始末。

パーティーの戦闘力も主人公が抜けたことで大きく低下することになる。
これまでは主人公が仲間全員に強化魔法を使用しており、実力以上の力を発揮できていた。
いざ主人公無しでの初戦闘が始まると普段通りの力が出せないと不思議に思い始める。
サンダーパイクの面々は、強化された状態を自分の実力と勘違いしていたのだ。

とまぁ例に漏れない無能っぷりを存分に発揮してくれる元パーティーメンバーたちの無様なシーンが多く描かれており見ていて楽しい。
ただちょっと無能が過ぎるというか、さすがに無理があるレベルの無能具合にさせられているなと感じる。

主人公が抜けた後は失敗続きなのにも関わらず、自分たちに問題があるという考えにいたれない。
それどころか異常なまでの自尊心に溢れており、冒険の失敗は主人公の代わりに雇った冒険者のせいだと思い込む始末。
もはや論理的思考ができていない、モンスターの方がまだ利口かもしれない。

主人公が新たなパーティーで順調に活躍していく姿の対比として描かれているのかもしれないが、いくら何でも無能に描かれすぎている気がする。

元教え子たちとY〇utuberデビュー

主人公は無色の闇というダンジョンを攻略するために冒険者を続けており、それには仲間が必要不可欠のため新たなパーティーを探していた。

パーティーを抜けた後、冒険者研修の講師をしていたときの元教え子たちと再会する。
そもそも冒険者に研修制度があるのかという感じだが、
ダンジョン攻略を配信するなど娯楽として浸透している面もあるようなので、普通のファンタジーよりも冒険者の法整備が進んでいるのだろう。

再会した元教え子たちから勧誘されて、共にパーティー名「クローバー」を結成する。
元教え子たちは、もちろん今作のヒロイン枠だ。
マリナは元気な魔剣士、シルクはダークエルフの弓使い、レインはロリっぽい魔法使いといった感じ。
まぁそれはどうでもいいのよ。

この世界ではダンジョン攻略の様子をライブ配信するのが一般的なようで、目玉の形をしたドローンのようなカメラがパーティーの様子を常に中継してくれる。
冒険系Youtuberとしてダンジョン攻略の様子をライブ配信し始める。

サンダーパイクにいた頃は裏方に徹していたため目立たなかった主人公だが、元教え子たちとライブ配信を続けていくことで凄まじい能力を持った赤魔導士であることが世間に知られていく。

無名の駆け出しパーティーであるはずのクローバーが、配信によって瞬く間に名を轟かせていくサクセスストーリー的な要素も見どころの一つだ。

戦闘シーン

戦闘シーンの作画はまあ普通。エフェクトがカラフルで派手な演出が多い。

主人公は自分や味方の身体能力を強化(バフ)したり、モンスターの能力を低下(デバフ)させる魔法を使って戦う。
このバフをかけられた味方はオーラのようなものを纏うのだが、これが効果によって色が様々代わりかなりハイカラな様相を呈している。

そもそも設定上で主人公の能力がバフやデバフという本来であれば見栄えしないような魔法ばかりなので、戦闘が地味にならないよう必要以上にカラフルにド派手に演出しているように感じる。

総評:元パーティーが落ちぶれている様子が一番おもしろい

ストーリー自体は、よくあるファンタジーもので最難関のダンジョンに挑むのが最終目標となっている。今のところ話の面白さは普通。

最初は、新しい仲間(ヒロイン)たちと絆を深めながら成長していく感じかとも思ったけど、もう最初からキズナMAXって感じなんだよね。
ヒロインたちは最初から主人公が好きみたいだし、主人公のバフのおかげでヒロインたちも一気に強くなるしで割とご都合展開な感じ。

戦闘シーンも普通かな。
演出は派手でカラフルな戦闘シーンに仕上がってるけどカッコいいかといわれると私は微妙なところ。でもその辺は好みの問題だしね。

今のところ元パーティーであるサンダーパイクが落ちぶれていくシーンが見てて一番面白い。
ここまで無能なキャラクターは他のアニメでもなかなかお目にかかれないので最後まで脱落せずに主人公の足を引っ張るために無様に登場し続けてほしいと思う。

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